《たしかに、十分よ。ただ生きてくだけならね。人間だって、自分たちの都合のいいように生きているだけ。人間が、あたしたちの都合を考えてくれたことがある?
山を崩して、海を埋め、都合よく地球をつくり変えてるわ。人間以外の生きものは、どんどん消えていく。そのくせ、絶滅しそうな動物に、偶然気づいた時だけ助けようとするのよ。カラスだって、絶滅しそうになったら救済されるわ、佐渡のトキみたいにね》
《どうだろうな。「ついにカラスを撲滅しました!」って喜ぶ人間の方が多そうだ》
《重度の被害妄想ね。でもね、念の力を忘れてしまった人間だからこそ、あたしたちの能力を刺激できるの。きっと人間にもテレパスを取り戻そうとする本能があるんだわ。人間が少しでもあたしたちの気持ちに気づいてくれたら、地球だって寿命を縮めずにすむのに》
《人間のやっていることなんて、ちっぽけなことさ。この星が本気になったら、人間なんて簡単に滅ぼしてしまう》
《あら、地球とも会話したことがあるの?》
《今度、試してみるさ。山崎に俺の力を高めてもらった後でな》
そして俺は、その場から飛び去った。コタローもゆっくりキトと話しがしたいだろう。コタローは、母親と再会した子供のような目をしていた。
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