2008年10月25日土曜日

意味のない守り ~20年の時を経て~

昨日(24日)のクライマックスシリーズ、ジャイアンツ対ドラゴンズ戦は引き分けに終わりました。アドバンテージを含めて、ジャイアンツの2勝1敗1分けです。最終的に3勝3敗1分けならシーズン優勝のジャイアンツが日本シリーズに進むため、王手がかかりました。ジャイアンツにとって「勝ちに等しい引き分け」に違いありません。TV中継の地上波放送が終了したとき、ラジオ中継に切り替えました。車の運転中以にラジオを聴くのは久しぶりで、なんだか新鮮です。
ドラゴンズの勝利がなくなった12回裏のジャイアンツの攻撃では、「やる意味がないですねー」と解説者も脱力ぎみです。聴く方もクライマックスからリラックスモードへ。でも、最終的にジャイアンツ2勝・ドラゴンズ3勝、2つの引き分けというケースもあります。そう考えると、中日が昨日の12回裏をきっちり守った意味も少しはありそうです。
さて、20年も前の話です。意味のない最終回の守りが、すべてのプロ野球ファンを熱くしたことがあります。1988年のペナントレース終盤、常勝チームの西武ライオンズを近鉄バファローズが驚異的なペースで追い上げていました。シーズンの最終日、近鉄はロッテとのダブルヘッダーに連勝すれば逆転優勝という局面です。結果は2試合目が引き分けに終わり、西武の優勝が決まりました。勝利の可能性がなくなった最終回裏のロッテの攻撃、近鉄ナインは泣きながら守備につきました。満員のスタジアムもTVの前の観衆も、近鉄ナインをやさしく見守っていたのだと思います。ペナントレース最後の場面に心が震えました。
クライマックスシリーズで、意味のない最終回の守りがドラゴンズにやってきても、誰も泣かないでしょう。「もともと3位だし」という気持ちが先に立ってしまいます。
10年に一度くらい、魂をゆさぶられるようなシーンに出会いたいのか? 毎年確かにやってくるそれなりの興奮に満足すべきなのか?けっこう大きな問題です。

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