2008年10月29日水曜日

Qちゃんの引退

マラソンの高橋尚子選手が引退を表明しました。かつて高橋選手を指導した小出氏は「40歳前後まで第一線で走れる選手なのにもったいない」と発言しています。これが本音かもしれませんが、高橋選手と出会えたことに感謝し、ねぎらいの言葉をかけているところは、さすが名伯楽です。
引退の日は、すべての選手に必ずやってきます。余力を残してスパっと辞めてしまう「引き際の美学」もあれば、ボロボロになるまで闘って果てる「もがきの美学」もあります。じたばたともだえ苦しむ様は、「美」ではなく「醜」だという人も沢山います。「トップを極めた選手が、いつまでもしがみつくのはかっこわるい」との考え方です。
一方、「もがき派」は、自分の可能性を信じて闘い続けます。純粋な体力だけなら、どんな選手でもピークを越えた時期を意識できます。しかし、経験により得た技術力とメンタルコントロールの力で、自分より体力的に上回る相手に打ち勝つことが出来るのがスポーツです。「ピークを越えても80%くらいの体力を維持できれば、総合力ではまだまだ負けない。」そんな風に考えて、勝負にこだわる選手もいます。その可能性を信じて、もがき続ける姿にぼくは美学を感じます。“プライド”をどこに見出すかの価値観によるものでしょう。
どんな形であれ、引退が話題になるのはトップアスリートの証です。アマチュア選手の場合、第一線に到達していなければ、引退のしようがありません。公的な大会のマスター部門やシニア部門に出場し続けることも可能です。
Qちゃんは、「50歳、60歳になってもジョガーとして走り続けたい」と宣言しました。ジョガー高橋に引退はないのでしょうね。

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