2008年10月31日金曜日

季節はずれの銅メダル

北京オリンピックのハンマー投げで、銀メダルを獲得した選手と銅メダルを獲得した選手が、ともにドーピング違反でメダルをはく奪される可能性が高いようです。処分が確定すると室伏選手が繰り上げで銅メダルを獲得することになります。日本陸上競技連盟の沢木専務理事は、「『室伏がクリーンであること』が証明されたとも言えるが、複雑な心境」とコメントしたそうです。「薬物を使わない選手はクリーンである」という表現そのものが、ショッキングでした。
残念ながらどの競技もドーピングと完全には決別できていません。しかし、薬物を使う一部の選手がダーティーであり、使わない選手が当たり前のはずです。
外国人選手と比較して細身の室伏選手が、80メートル以上もハンマーを飛ばすのは驚異的なことです。しかし、薬物を使わないのが当然の環境でなければ、室伏選手に続く若手の競技者は出てこないでしょう。今年の6月に行われた日本陸上競技選手権をスタンドで観戦しました。室伏選手の投てき姿は、芸術的な美しささえ兼ね備えていました。国内で室伏選手を脅かす若きハンマースローアーの出現にも期待したいところです。

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