2009年7月14日火曜日

脳死は人の死?

「脳死を人の死」とする法律が成立しました。この法律により本人の意思が確認できない場合でも、家族の同意があれば臓器の摘出が可能になりました。
「脳死=人の死」について国民的な合意ができたのか?議論は十分になされたのか?
という疑問も残っているようですが、どれだけ議論しても国民的な合意が形成できる問題ではないでしょう。
脳死を人の死と定義しないことには、家族の判断が本人を死なせることになってしまうので、法案の成立には必須の要件だったのでしょう。

「臓器移植が必要な幼い子は、死を待つことしかできないのか」
「脳死後も長期間心臓が動き続ける我が子に、法律が死亡宣告するのか。そして速やかに子供の臓器を誰かにあげるべきなのか」
二つの思いを同時に救うことができないのが、この問題の重いところです。

個人的には、自分の臓器は提供してもいいけど、自分の判断で家族の体を冷たくしてしまうのは避けたいというのが本音です。「脳死状態になったら、絶対誰かに自分の臓器を提供してくれ」という本人の強い意思を知っていれば別かもしれません。
重要な法案が成立したことは確かですが、本人の意思が明確にしるされたドナーカードの仕組みが変らないと実際の移植は増えないような気がします。
やがて運転免許証の裏に意思表示が義務付けられる時代がくるかもしれません。
「そこまですべきではない」という意見が主流なら、やはり「脳死は人の死」を受け入れられていないということなのでしょう。

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