2008年12月5日金曜日

人生の短さについて ~自己啓発とダイエット~

“偉大な人物、つまり人間の犯すもろもろの過失を超絶した人物は、自己の時間から何一つ取り去られることを許さない。それゆえ、この人の人生はきわめて長い” 古代ローマの政治家であり思想家でもあるセネカの言葉です。約2000年も前にローマの人が話した言葉が、今でも世界中の人に共感を与えていることに驚きます。
同じような内容でも表現や言葉を少しづつ変えることで、自己啓発本はいくらでもつくれるそうです。著者の言葉が読者の胸に響くかどうかが、ベストセラーと埋もれてしまう本の分かれ道。
世界中でベストセラーとなった「道は開ける」を書いたD・カーネギーは、古今東西の金言・箴言や成功者が体験をつづった本を何百冊もよんで、エッセンスを一冊の本にまとめたがちっとも面白くない本が出来上がってしまったと述べています。そこでその知識を生かし、自分で見聞したことや体験したことを中心に記述したところ満足のいく本が書けたそうです。
さて、貴重な言葉をなんども聞いたり読んだりしているのに、しばらくすると忘れてしまうのが悲しいところです。とっておきのダイエット方法を学んだのに、しばらくするとダイエットしていること自体を忘れてしまうのに似ています。黒酢ダイエット・バナナダイエット・ダンベルダイエット・・・。
人間とは忘れっぽくて、飽きやすい動物です。自己啓発本やダイエット本、ビジネス指南書などが次から次に出てくるのは、このためです。
そういえば最近も関西弁をしゃべるゾウさんのような神様の本を読んで、一時的に発奮したような記憶があります。
次に読むべきは「学んだことを忘れないための脳活用術」という本かもしれません。

“ ”内の引用部分は岩波文庫 「人生の短さについて」(セネカ著)より

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