2008年12月22日月曜日

だれのための施設?

2008年1月に全面供用開始されたナショナルトレーニングセンター(NTC)を見学してきました。
地上3階・地下1階の屋内施設には、世界最大規模の1000畳敷きの柔道場、バスケットボール・ハンドボール・バドミントンコート、レスリングの専用練習施設などがあります。たくさんの高機能ハイビジョンカメラも設置され、パフォーマンスの分析に活用されています。基本設計から3年以上かけて完成した設備の総工費は、陸上トレーニング場などの屋外施設を含めて370億円(2008年1月21日 msn.産経ニュースより)になります。
トップアスリートが集中的に練習する環境が整い、競技者のレベルアップに資するすばらしい設備でした。

「手前から3番目がオグシオの汗をたっぷりすいこんだコートです。彼女たちはあのコートを愛用してました。ちなみにスエマエがよく使っていたのは、一番手前のコートです」
「ラウンジではいろいろな種目のトップアスリートが交流して、情報交換することができます。ちなみに、卓球の福原選手とテニスの錦織選手もここで愛をはぐくんだという噂もあります」
と施設の案内者がサービス情報を提供してくれたりします。

トップアスリートの育成に国が関与することや、いわゆる「箱もの行政」を嫌う意見もあります。
「オリンピックのメダルを税金で買う必要があるのか」という批判もあるかもしれません。
湯水のごとく金をかけるべきだとはいいませんが、競技力の向上にある程度国が力をいれるのは賛成です。どんな種目でも最高のパフォーマンスをみるとワクワクします。その結果を残した人が日本人であれば、うれしく感じたり誇らしげな気分になります。他人のやっていることを自分のことのように喜び、競技に望むまでのプロセスを知って感動したりします。
怒りがこみあげたり、悲しみにくれるばかりのニュースが多い現実社会の中で、泣いたり笑ったりできるスポーツシーンはひと時のやすらぎを与えてくれます。映画や音楽でいやされることもありますが、なにが起こるか分からないスポーツのドキドキハラハラ感が僕は一番好きです。

ところで、NTCを紹介するビデオの最後が「すべては、トップアスリートのために」という言葉で締めくくられていました。カッコよく仕上がったそのビデオにぴったりとはまる言葉ではあります。たしかに施設の大部分はトップアスリートしか使えないし、彼らの技術力UPやメンタル面を支援する設備です。
それでも、「すべては、日本の元気のために」と言ってほしかった。

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