2009年2月24日火曜日

WBC代表メンバーと文字メディア

WBCに出場する最終メンバーが固まり、合宿に参加していた33人から28人に絞られました。原監督は、「削る作業ではなく、28人をピックアップする作業」と表現しました。ストレートに応援したくなる原監督の人のよさが出ているようでもあり、毒を吐かない面白みのなさのようにも感じました。
落選した選手のコメントを新聞で読むと、「代表から離れても、気持はメンバーと同じ。連覇を勝ち取ってかえってきてほしい」(和田選手)、「やれることはすべてやった。納得している」(松中)などと書いてあります。TVでは、アキレス腱に痛みを抱えていた松中選手が、怪我の状態が選考に影響したと思うかと質問され、「それは、まったくない。怪我が理由だとしたら、非常にショックだ」と語気を強め、悔しさのにじんだ様子が映っていました。

「やれることはすべてやった。納得している」
「怪我が理由だとしたら、非常にショックだ」
どちらも松中選手の言葉ですが、新聞記事として紹介するとき、上なら解説不要ですが、下の場合は背景を説明する必要が生じます。紙面が限られるため上の言葉を使わざるを得ないのでしょう。
活字メディアと映像メディアでは受け止め方に差がでます。どちらか一つを選びなさいと言われたら映像メディアを選ぶかもしれません。しかし、活字や文字による情報伝達の手段が消えることはありませんし、文字だから伝えられることもあります。テレビカメラが回っているときの発言は、基本的にその言葉が公表されることを前提に、話者は心を構えています。一方、記者やライターと話し手のやりとりでは、話したことすべてが、活字になるわけではありません。そのとき、建前ではないその人の本質が表れることがあります。もちろん本人が公表したくない言葉は通常記事にはなりませんし、記者やライター相手に話す言葉には常に注意を払って発言する人もいます。
それでも、活字や文字だからこそ伝えられるものを探していきたいと思います。

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