2009年2月27日金曜日

WBCでハリキるイチローは正しい

3月5日から第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が始まりす。代表合宿や練習試合に大勢の観客や報道陣が集まり、国内での注目度は極めて高いようです。一方で、「アメリカの野球関係者やファンの間では、WBCが真の世界一を決める大会だとは認められていない。」という声も聞こえます。アメリカの大衆紙といわれるUSA TODAYが運営するウェブにWBCを扱う記事は少なく、またNY TIMESのウェブでは、「WBCに入れ込む日本の代表合宿が始まった」というタイトルのコラム(2月17日付)が掲載され、日米の温度差を指摘しました。本場アメリカが一種のお祭りと考えているものに、必死になって取り組む姿勢は恥ずかしいような気もしますが、大会の重みは当事者の価値観によって異なります。これは日本シリーズの後に行われるアジアシリーズを想像すると分かりやすいかもしれません。アジアシリーズは、日本一になったチームと韓国・台湾・中国の代表チームがアジアナンバー1の座をかけてプレーする大会ですが、日本中が熱狂して応援する大会にはなっていません。アジアシリーズでは、けがを押して日本シリーズを戦った選手は大事をとり、外国人選手には帰国しているケースもあります。この大会で、もし日本のチームが敗退したとしてもファンの落胆の度合いは小さいでしょう。例えば、韓国チームが優勝したとすればこう言うかもしれません。
「日本は、若手主体のメンバーだったからね。ベストメンバーで戦えば、負けることはないよ。そもそも、お祭りみたいな大会にそんなに熱くなる方がおかしいのさ」
韓国側は、それを、負け惜しみと言って、こちらが本気になるまで、挑発してくるでしょう。
「WBCでのイチローはなぜ熱いのか?」その疑問に対する答えも、そこにあるのではないでしょうか。ハリキってチームを引っぱり、ライバルチームを挑発し、本気でぶつかりあって、世界一を奪う。「熱いのはアジア地区だけ」では、WBCが育ちません。

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