2009年6月11日木曜日

エコとエゴ

日本の温室効果ガスの削減量を2005年比で15%減とする中期目標を、政府が表明しました。1990年比だと、8%減になります。

朝日新聞のコラム「CM天気図」の天野さんは、“ 電気をこまめに消したり、レジ袋の代わりにエコバッグを買ったりしているぼくらは、いったいなんなんだ ” と言って怒っています。産業界がもっと抑制すべきなのに、その分のツケが一般家庭にまわされることに憤りを感じて、そう主張されています。
エコロジカルな生活を実践している人ほど、怒りが大きくなるのはわかります。
5月31日の朝日新聞の記事では、セメントや鉄鋼業界が生産量を減らすことを考えずに、現状維持を前提としていることを問題視していました。かつて鉄鋼会社にいたぼくとしては、この意見には賛成できません。たとえば、日本の鉄鋼メーカーが生産量を半分にすると、その分を海外の鉄鋼メーカーが増産してニーズを満たすかもしれません。環境対策装置の性能は日本メーカーの方が進んでいるケースが多いので、結果的に、地球に排出される温室効果ガスの総量は増えてしまいます。
すると、世界中の鉄鋼生産量を減らせばよい → 世界中の車の数を減らせばよい → 石油も使わずにすむ、 ということになります。

しかし、生活のレベルは落としたくないし、大きな自己負担もしたくない。
「昔のような電気のない生活には戻れないのだから、便利をガマンせずに、地球を守るための知恵を出しましょう」というところにムリがありそうな気がします。

究極の温暖化防止対策は、少子化対策をしないことかも ・・・ 。

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