2009年6月28日日曜日

アナザーワールド

陸上の日本選手権、ハンマー投げでは室伏選手が15連覇を達成しました。自身がもつ日本記録を11m60下回る73m26の記録でした。10月で35歳になるベテラン選手にとって、北京オリンピック後の肉体的な疲労と外国選手のドーピング違反による銅メダル獲得経緯は、精神的なストレスにつながったのかもしれません。故障の影響で1月から4カ月間は練習もできない状況だったそうです。不本意な記録かもしれませんが、ハタチのときから15年間この大会で負け知らずという快挙です。

朝日新聞の見出しには「孤高の15連覇 記録低調 ライバル不在」とありました。
ハンマー投げの土井宏昭選手が「室伏のライバル」と呼ばれることは、ほとんどありません。土井選手は2002年から2008年まで日本選手権2位の成績を納めています。74m06の自己ベストをもち、今回は室伏選手の連覇を阻むチャンスだったのかもしれません。しかし結果は69m90で、今年も2位に終わりました。
「室伏広治のいない世界」を土井選手が想像したことがあるかどうかは分かりません。日本選手権8連覇となれば、国内ではもっと注目される選手になっているでしょう。しかし、外国選手との差が大きいのも事実です。アジア大会で活躍することができても、オリンピックでのメダル獲得に縁がなければ、ハンマー投げ自体が注目されないかもしれません。砲丸投げや円盤投げがニュース番組で取り上げられないのと同じ状況になるでしょう。
オリンピックのメダルがもつ絶大な力を改めて感じてしまいます。

「どんな手を使っても勝ちたい」と考える選手がいる限り、ドーピングとの戦いは続きます。

それは社会の縮図かもしれません。

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