2009年5月11日月曜日

竹中直人から忌野清志郎へ

“訃報を聞いて真っ先に思ったのは、どうしよう、ということだった。清志郎の生の声が聴けない世界で、私はいったいどうすればいいのだ。” 5月4日の読売新聞に作家の角田光代が寄せた記事の一部です。

清志郎の訃報を知った夜、ぼくも、同じような趣旨のメールをファン仲間の先輩に打ちました。

寂しい気持ちになってしまうので、何も書かないつもりだったのですが、竹中直人が読んだ弔辞をテレビで見てしまったので、一言。

ぼくは、清志郎と同じくらい竹中直人も好きです。そして竹中直人の弔辞を聴いて、もらいなきしそうになりました。
「おれは、忌野清志郎と友だちなんだぜって、世界中の人に自慢したいです。ずっとずっと自慢してていいですよね、清志郎さん」
なきじゃくり、鼻をかみ、最後は右手を腰にあて、左手を大きく振りながら「またね」と言ってお別れです。
心が伝わってくる、男泣きのかっこいい弔辞でした。

さて、誤解のないよう先に書きますが、この弔辞が竹中直人の演技であるはずはありません。
ただ、映画の一場面として、監督が俳優・竹中直人に指示したら、きっと完璧にこのシーンを演じきってしまうのだろうな、とぼくは感じました。映画の中でも、竹中直人が演じる人の悲しい気持ちを、観客に伝えられる俳優だと思います。

清志郎にしても竹中直人にしても、偉大な表現者というのは、人を魅了する力を遺憾なく発揮して人生を送るのだなと感じさせる弔辞でした。

(本日、敬称略)

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