2009年5月1日金曜日

求む! シンデレラ

横浜アリーナで、世界卓球選手権を観戦してきました。
男子では、水谷(29)・吉田(35)・松平(109)の3選手がベスト16入りしました。ちなみに、松平選手は、青森山田高校に通う18歳で、( )内の数字は、世界ランクです。会場は満員ではありませんが、日本人の試合が多いコートは応援席の近くに設置され、その付近はかなりの盛り上がりを見せていました。テレビ中継を意識して会場が設営され、観客もそこを中心に席を埋めていくので、結果的にテレビ映りは見栄えのするものに仕上がっているようです。
日本人の男子選手が16強入りするのは、12年ぶりのことだそうです。大会前に、注目されていた女子の福原選手や平野選手が早々に敗退してしまったのとは対照的な結果になりました。普段より声援が大きいことは、期待を背負う選手にはプレッシャーとなり、チャレンジャーにとっては背中を押してくれるものなのかもしれません。

ところで、この日のマスコミ的な注目の一戦は、福岡春菜選手(33) VS 石川佳純選手(105)だったようです。二人の対決が始まった瞬間に、カメラマンの数がグッと増えました。勝った方が、ベスト16に進出です。16歳の石川選手は、前日に世界ランク10位の香港選手を破っての3回戦進出であり、14歳のとき、世界選手権に初出場しています。従って、マスコミは「ポスト愛ちゃん」的な役割を石川選手に期待しているようです。コートの後ろにカメラマンがずらりと並ぶのですが、試合開始の時点では、福岡選手の背中・石川選手の顔、が写る位置取りです。第1ゲームが終わってコートチェンジすると、反対側に移動するカメラマンが少なからずいました。常に、石川選手の表情を狙うシフトです。タイムアウトでドリンクを飲むときには、ほとんどのカメラマンガ石川選手の方にレンズをむけて、シャッターをきりました。
こうなるとぼくは、俄然、福岡選手を応援したくなってしまいます。対戦カードを見た時は、「どちらかと言えば石川・・・かな」と思っていたのに、気持が変わってしまいました。たぶん、ひねくれた性格なんだと思います。昔はアンチ巨人で、貴乃花と曙なら、曙を応援していました。

でも、カメラマンの大移動を見る前まで「なんとなく石川」だったのは、16歳でランク105位の選手が、この大会で一気に駆け上がるシンデレラ・ストーリーを期待していたせいだと気づきました。
それが、ぼくの自然な気持ちで、そんな世の中の潜在ニーズにマスコミが応えようとしているのか、スターを作り上げたいマスコミに誘導されて生じた気持ちだったのか、もう少し時間がたたないと判断がつかないようです。

そのゲームは4-1で、石川選手が勝ちました。
もちろん、日本人選手の明日からの活躍に期待しています。

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