2009年5月25日月曜日

大関に「喝」

大相撲夏場所は、大関3場所目の日馬富士が初優勝を飾って、幕を閉じました。
少し前まで「安い馬」だった関取が、今では「富士の上に立つ日本の馬」に名前が変わりました。しこ名も成績も大いに出世しています。
一方、日本人大関の魁皇・千代大海・琴光喜は、そろって8勝7敗の成績に終わりました。3人の最近3場所の成績には、二桁勝利がありません。一時期の魁皇と千代大海には、カド番の場所で優勝したり、優勝の翌場所に負け越したりと大きな波もありました。しかし、今ではカド番の場所とかろうじて勝ち越す場所の繰り返しです。ここは奮起の願いをこめて「喝」を入れなければなりません。

ところで、朝青龍・白鵬・日馬富士の年齢が、順番に28歳・24歳・25歳であるのに対して、魁皇は36歳、千代大海と琴光喜は33歳です。3人の大関が今後2場所連続優勝して、横綱になることは難しいかもしれません。ふがいなさに「喝」を入れたくなるのは期待の裏返しです。
「みっともないから早く引退せよ。そう言われたくないのなら、それなりの結果を残せ」という意見もあると思います。大関の地位に対する期待が大きいほど、そう思うものでしょう。
余力を残して引退する引き際の美学もありますが、自分の納得がいくまでボロボロになっても戦い続ける選手も、ぼくは好きです。
カド番を繰り返す大関に不満をもつファンが多いのも事実で、横綱審議委員会は「累積5回のカド番で降格や引退勧告」などの案を具体的に検討しているようです。ランキングと実力をマッチさせるには、ルールの改定が必要かもしれません。

どんな制度になっても、納得いくまで戦う姿勢とそこにある魂を見せてほしい。それが、魁皇や千代大海に対するぼくの期待です。

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