2009年5月15日金曜日

五感を使ってコーヒーを飲む

偶然に、雑誌と新聞で「五感を大切に」という記事を読みました。第六感といわれる「インスピレーション」や「ひらめき」を得るためには、日頃から五感を豊かに使う必要があるそうです。 普段、空気の存在を意識しないように、五感を意識して生活することはほとんどありません。意識せずにすむことのありがたみにさえ、なかなか気がつかないものです。

視覚・聴覚・嗅覚、、、、味覚、、、、、、、触覚。
久しぶりに五感を意識してみたら、こんな順番で脳の引出しから出てきました。「触覚」に至っては、「痛覚?」 「温度の感覚?」などと、やや混乱しながら思い出しました。
さっそく、五感を豊にして、朝のコーヒーを飲んでみます。 真っ先に使うのは、視覚です。いつも使っている緑色のマグカップがあります。木登りしたパンダが枝に腰かけて本を読んでいる絵が描かれています。もう何年も使っているマグカップですが「パンダの絵の緑のカップ」としか認識していませんでした。でもよく見ると、緑色の下地に幹と枝が黒で描かれ、葉っぱは、縁取りと静脈が黒です。葉っぱそのものは、白ぬきの「白」だったことを発見しました。
続いての登場は、触覚です。思い出した順番はどんじりでしたが、出番の早いことに驚きです。右手でカップの取っ手を持ち、左手で本体を包んでみました。温かい感触が両手の指から伝わってきます。冬場なら、感謝の気持ちがワンランク・アップしているかもしれません。でも、温かく感じるということは、相対的に指先が冷たいということです。というわけで、指先から指の根元までを軽くマッサージしてやります。ついでに、足の指もマッサージしておきました。普段意識していない体の部位たちにも、たまには敬意を表する必要がありそうです。
ミルクが入り、マイルドになった茶色の液体を口に運ぶ前に、今日は匂いを意識してみます。少し酸味のありそうな豊潤な香りが漂ってきます。と書きたいところですが、インスタント・コーヒーの匂いがするだけです。何かを感じたいと思い、口ではなく鼻のしたにカップを運び斜めに傾けてみます。危うく、鼻からコーヒーを飲むところでした。嗅覚さん、今日はこれまで。
と、ここまで来て、やっとコーヒーを飲むことができます。苦労してたどりついただけあって、いつものインスタント・コーヒーと比べて格別な苦味の切れがあります。粉の分量が多めだったことは、この際忘れましょう。 というわけで、五感を使ってインスタント・コーヒーを堪能すると、感謝の気持ちでいっぱいになり、とてもおいしく感じられます。
あれ、なにかが足りない・・・。聴覚を使い忘れていました。 仕方がないので、空になったマグカップを耳に当ててみます。すると、海辺で拾った貝殻を耳にあてたときのようなロマンチックな音が聞こえてくるではありませんか。またまた、大発見です。

怪しい人だと思われるので、職場でコーヒーを飲むときに聴覚を使うのはやめましょう。

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