2009年1月14日水曜日

時代の空気

先ず、今週の「週刊朝日」中吊り広告の見出を引用します。
「改革が日本を不幸にした(中略) 新自由主義の正体はエリートに都合のよい大衆搾取のツール」
こちらは、先ほど読んだ本からの引用です。
「ようやく生存ができても、最低の文化生活を享受できぬ貧民は依然として跡を絶たないではないか。一方で富めるものの生活がつぎつぎに高められるとすると、相対的な貧しさはますます大きくなるではないか」

とあります。本のタイトルは「現代のヒューマニズム」(務台理作 著)で、1961年に書かれたものです。週刊朝日の中身は読んでいませんが、今週の週刊誌のタイトルと50年近く前に書かれた本の内容がマッチしているようで驚きました。
小林多喜二の「蟹工船」は読んだことがありませんが、1929年に刊行された本です。

不況のときに鬱屈した空気が流れるのは、いつの時代もかわらないのでしょう。

ところで、「規制緩和」が声高に叫ばれていたとき、「”セーフティーネット”の整備も同時に行うので心配はない」と説明されていたような気がします。結果的に、その”安全網”が機能しなかったのか”安全網”の整備が行われなかったのかは不明です。

すべての人に文化的な生活が保障され、才能に恵まれ努力を惜しまない人はそれだけのリターンが得られる社会。バブル的経済に気づいていないときだけが、そんな気分に浸れる時代なのかもしれません。

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