2009年1月24日土曜日

バーレーン戦の生中継

サッカーのアジアカップ最終予選・バーレーン対日本(日本時間 29日 午前0:15開始)が国内で生中継されないことが決まりました。バーレーン協会が代理店に販売した放映権が高額すぎて、日本側との交渉がまとまらなかったそうです。日本側の交渉主体がどこか記事(23日 朝日新聞)にはありませんでしたが、その決断を支持したいと思います。
2002年の日韓ワールドカップの放映権料は、約1400億円で、98年のフランス大会の10倍近い金額になった(週刊ダイヤモンド08年8月2日号)そうです。サッカーに限らず、スポーツ・ビッグイベントのTV放映権料が高騰しつづけることに疑問を感じます。放映権料の値上がりは、競技団体の財政をうるおし、競技の発展に必要な資金源を確保できるという面もあるでしょう。しかし転売される放映権料は、最終的には広告スポンサー料やNHKの受信料として支払われることになります。スポンサーは支出する費用に対して宣伝効果が少ないと判断すれば広告主にならないでしょうし、NHKがワールドカップを理由に受信料を引き上げることもないでしょう。放映権料が極端に高騰するとTV中継できないという事態が起こるのではないかと思っていますが、今回の「バーレーン戦生中継なし」はそれと同じ原理なのだと思います。
バーレーン協会から権利を購入した代理店は、日本側が最終的には「必ず買う」という予測のもとに強気の交渉をしたのでしょう。バーレーン戦の生中継が見られないことは残念ですが、たまにこのような決断があると放映権料の高騰にも歯止めがかかるかもしれません。
もしワールドカップ本戦でも同じようなことが起こると、お金を払っても中継を見たいという人がたくさん出てくるでしょう。そうなると地上波では中継されず、ペイ パー ビュー方式でないと見られないことになってしまうかもしれません。これでは、スポーツ中継が熱狂的なファンだけのものとなり、スポーツそのものが縮小均衡に陥ってしまいます。昔はテニスの全豪オープンや全仏オープンも地上波で見られましたが、最近では地上波の中継はありません。日本のプロ野球も地上波放送が少なくなってきました。
スポーツに興味のない人には好ましい傾向かもしれませんが、スポーツファンにはさびしい状況です。

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