2009年1月22日木曜日

全国体力調査

文科省が「全国体力調査」の結果を公表しました。福井県・千葉県・秋田県などが上位で、東京・神奈川・大阪などの大都市を抱える都府県は下位に甘んじています。大都市には子供が運動する場所が少ないためのような気もしますが、地方の成績が押し並べてよいわけでもありません。「全国学力調査」の成績と似た傾向にあり、学力と体力に相関関係があるとみる教育委員会もあるようです。どちらも、「テスト対策」をしっかりやった県が上位に入ったような気もしますが。

朝日新聞の記事には、”一喜一憂 体力でも” の見出しと ”文科省は「過度な競争意識をあおらないようにしたい」としているが、現場の教員には、順位を上げることを目的にするような風潮が広がらないか不安視する声もある”などとあり 、大阪府橋下徹知事の ”学力も体力も低い、大阪はどないすんねん”というコメントも載せられています。しかし、この手の調査を実施して、一喜一憂せずに泰然自若としている姿が模範なら、そもそも調査する意味があるのでしょうか?調査の背景には、「学力も体力も、低いよりは高い方がいい」という思想があるはずです。学業成績が悪くても体力がなくても、教育現場や子供にプレッシャーを与えず、のびやかに成長することが第一であるなら調査は必要ありません。学業にしてもスポーツにしても成果を発表する場があった方がやる気がでます。テストやスポーツ大会がなくても、自発的に勉強したり運動することで自分を成長させることができれば理想ですが、お尻に火がつかないとやる気が出ない人の方が多数派です。調査項目だけを徹底訓練し、テストの点数UPだけが最終目的となってしまう成績至上主義はあきらかな誤りです。しかし、学力や体力の向上を、精神的にも健康的にも豊かな社会の実現につなげる手段として利用することは必要であり、そのためにある程度の競争原理を取り入れることはやむを得ません。

さて、毎日朝食を食べる子供は、学力調査でも体力調査でも成績がよい傾向にあったそうです。個人的な経験においても、朝食抜きの時代と朝食ありの時代では、午前中のパフォーマンスに大きな差を感じました。朝食の重要性が判明しただけも、調査を実施した甲斐がありそうです。

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